はりねずみ小口現金が絡む仕訳について、勉強しましょう。
日商簿記3級を学習する際に、小口現金の概念とその管理方法を理解することは非常に重要です。
小口現金は、日常的な少額の支出を迅速かつ簡便に処理するために用いられる現金です。
本記事では、小口現金の基本的な概念と、その管理方法である定額資金前渡法（インプレスト・システム）の仕組みについて説明し、各種取引の処理方法について詳しく解説します。
小口現金とは？
例えば、文房具の購入や交通費の支払いなど、頻繁に発生する少額の支出を迅速に処理するために使用されます。
定額資金前渡法（インプレスト・システム）とは？
この方法では、小口係が支出を管理し、会計係が定期的に補給することで現金の残高を一定に保ちます。
小口現金を前渡ししたとき
定額資金前渡法（インプレスト・システム）により、会計係が小口係に小口現金¥1,000を小切手を振り出して前渡しした。
| 借方 | 貸方 | ||
| 小口現金 | 1,000 | 当座預金 | 1,000 |
「小口現金」は、資産の勘定科目です。
今回は、小口現金が増えているため、借方（左側）に記載します。
「当座預金」は、資産の勘定科目です。
今回は、当座預金が減っているため、貸方（右側）に記載します。
小口現金で支払ったとき
小口係が電車代¥500・ハガキ代¥120を小口現金から支払った。
| 借方 | 貸方 | ||
小口係が日々の細かい支払いを小口現金で行いますが、この時点では会計係への報告がされていないため、仕訳は行いません。
小口係から支払報告があったとき
会計係が小口係より、バス代¥500・ハガキ代¥120の支払報告を受けた。
| 借方 | 貸方 | ||
| 旅費交通費 通信費 | 500 120 | 小口現金 | 620 |
「旅費交通費」は、費用の勘定科目です。
今回は、旅費交通費が増えているため、借方（左側）に記載します。
また、「通信費」は、費用の勘定科目です。
今回は、通信費が増えているため、借方（左側）に記載します。
「小口現金」は、資産の勘定科目です。
今回は、小口現金が減っているため、貸方（右側）に記載します。
小口現金を補給したとき
会計係が小口係に小切手¥10,000を振り出して小口現金を補給した。
| 借方 | 貸方 | ||
| 小口現金 | 10,000 | 当座預金 | 10,000 |
「小口現金」は、資産の勘定科目です。
今回は、小口現金が増えているため、借方（左側）に記載します。
「当座預金」は、資産の勘定科目です。
今回は、当座預金が減っているため、貸方（右側）に記載します。
小口現金の支払報告と補給が同時のとき
会計係が小口係より、バス代¥500・ハガキ代¥120の支払報告を受け、ただちに小切手を振り出して小口現金を補給した。
① 報告時の仕訳
| 借方 | 貸方 | ||
| 旅費交通費 通信費 | 500 120 | ||
② 補給時の仕訳
| 借方 | 貸方 | ||
| 当座預金 | 620 | ||
①+②の仕訳
| 借方 | 貸方 | ||
| 旅費交通費 通信費 | 500 120 | 当座預金 | 620 |
「旅費交通費」は、費用の勘定科目です。
今回は、旅費交通費が増えているため、借方（左側）に記載します。
また、「通信費」は、費用の勘定科目です。
今回は、通信費が増えているため、借方（左側）に記載します。
「当座預金」は、資産の勘定科目です。
今回は、当座預金が減っているため、貸方（右側）に記載します。
最後に
はりねずみいかがでしたか…？
小口現金は、企業の日常的な少額の支払いを迅速に処理するために用いられる現金であり、その管理方法として定額資金前渡法（インプレスト・システム）が一般的に使用されます。
この方法では、小口係が支出を管理し、会計係が定期的に補給することで現金の残高を一定に保ちます。
日商簿記3級の試験では、小口現金に関する取引を正確に理解し、適切な仕訳を行うことが求められます。
独学で学習を進める際には、小口現金に関する練習問題を多く解き、実践的な理解を深めましょう。
継続的な学習と実践が、試験合格への道を開く鍵となります。
