有形固定資産とは?具体例な仕訳処理を確認しながら徹底解説!【簿記3級 入門講座】

有形固定資産とは?
はりねずみ

有形固定資産関連の仕訳について、勉強しましょう。

日商簿記3級を独学で学習する際に、有形固定資産の概念とその処理方法を理解することは非常に重要です。
有形固定資産は企業の財産の一部であり、その管理と会計処理は正確に行う必要があります。
本記事では、有形固定資産の基本的な概念と、それに関連する具体的な取引の処理方法について詳しく説明します。

目次

有形固定資産とは?

有形固定資産とは、企業が長期間にわたって使用するために保有する物理的な資産のことを指し、これには、建物、土地、機械設備、車両、備品などが含まれます。

有形固定資産は、企業の生産活動やサービス提供のために使用され、その価値は時間とともに減少します(減価償却)。

有形固定資産を購入したとき

有形固定資産を購入する際には、その取得原価を正確に計上することが重要です。
取得原価には、購入代価だけでなく、購入に関連する付随費用も含まれます。

取得原価

取得原価とは、有形固定資産を取得するために支払った全ての費用を指します。
これには、購入代価、輸送費、設置費用、税金などが含まれます。

購入代価

購入代価とは、有形固定資産そのものの購入価格を指します。

付随費用

付随費用とは、有形固定資産の取得に関連する追加の費用を指します。
これには、輸送費、設置費用、税金、手数料などが含まれます。

土地¥500,000を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。
なお、不動産会社への仲介手数料¥30,000は現金で支払った。

借方貸方
土地530,000当座預金
現金
500,000
30,000

「土地」は、資産の勘定科目です。

今回は、土地が増えているため、借方(左側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

「当座預金」は、資産の勘定科目です。

今回は、当座預金が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

また、「現金」は、資産の勘定科目です。

今回は、現金が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

有形固定資産を売却したとき

有形固定資産を売却する際には、売却価格と帳簿価額との差額を計上します。
これにより、固定資産売却益または固定資産売却損が発生します。

固定資産売却益が発生する場合

帳簿価額¥800,000の機械を¥900,000で売却した。

借方貸方
現金900,000機械
固定資産売却益
800,000
100,000

「現金」は、資産の勘定科目です。

今回は、現金が増えているため、借方(左側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

「機械」は、資産の勘定科目です。

今回は、機械が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

また、「固定資産売却益」は、収益の勘定科目です。

今回は、固定資産売却益が増えているため、貸方(右側)に記載します。

損益計算書(P/L)

固定資産売却損が発生する場合

帳簿価額¥800,000の機械を¥700,000で売却した。

借方貸方
現金
固定資産売却損
700,000
100,000
機械
800,000

「現金」は、資産の勘定科目です。

今回は、現金が増えているため、借方(左側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

また、「固定資産売却損」は、費用の勘定科目です。

今回は、固定資産売却損が増えているため、借方(左側)に記載します。

損益計算書(P/L)

「機械」は、資産の勘定科目です。

今回は、機械が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

有形固定資産を改良や修繕したとき

有形固定資産の改良や修繕を行う場合、その費用を適切に処理することが重要です。

有形固定資産を改良したとき

改良とは、有形固定資産の機能を向上させたり、耐用年数を延長させたりするための支出を指します。
改良費用は、有形固定資産の帳簿価額に加算されます。

機械の改良費用¥200,000を支払った

借方貸方
機械200,000現金200,000

「機械」は、資産の勘定科目です。

今回は、機械の価値が増えているため、借方(左側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

「現金」は、資産の勘定科目です。

今回は、現金が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

有形固定資産を修繕したとき

修繕とは、有形固定資産を正常な状態に保つための支出を指します。
修繕費用は、当期の費用として修繕費で処理されます。

機械の修繕費用¥50,000を現金で支払った。

借方貸方
修繕費50,000現金200,000

「修繕費」は、費用の勘定科目です。

今回は、修繕費が増えているため、借方(左側)に記載します。

損益計算書(P/L)

「現金」は、資産の勘定科目です。

今回は、現金が減っているため、貸方(右側)に記載します。

貸借対照表(B/S)

最後に

はりねずみ

いかがでしたか…?

有形固定資産は企業の財産の一部であり、その取得、売却、改良、修繕に関する取引を正確に処理することが求められます。

日商簿記3級の試験では、有形固定資産に関する取引を理解し、適切な仕訳を行うことが重要です。
独学で学習を進める際には、有形固定資産に関する練習問題を多く解き、実践的な理解を深めましょう。
継続的な学習と実践が、試験合格への道を開く鍵となります。

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