精算表と財務諸表の練習問題4【簿記3級 過去問レベルにチャレンジ!】

簿記3級 精算表と財務諸表の練習問題
はりねずみ

サクサクと解けるようになるまで、問題で慣れていきましょう!

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問題

会計期間は、X1年4月1日からX2年3月31日までです。
以下の期末整理事項にもとづいて、精算表を完成させましょう。

  • 得意先が倒産し、前期の同社に対する売掛金80円が回収不能となった。
    これを貸倒れとして処理する。
  • 商品の期末棚卸残高は800円であった。
    売上原価は仕入の行で計算する。
  • 売掛金と受取手形の期末残高に対して、差額補充法にて2%の貸倒引当金を設定する。
  • 建物及び備品について、定額法にて減価償却を行う。
    建物は耐用年数20年で残存価値はゼロ・備品は耐用年数5年で残存価値はゼロである。
    備品はX1年12月1日に購入し、同日より使用したもので、減価償却費は月割計算によって計上する。
  • 仮払消費税と仮受消費税を相殺し、納付額を計算する。
  • 受取家賃の前受額は10円である。
  • X1年9月1日に借入れた借入金の利息につき、未払処理する。
    借入れの条件は利益率が年4%・利払日が8月末日・返済期日がX2年8月31日である。
69.精算表_空3

解答

会計期間は、X1年4月1日からX2年3月31日までです。
以下の期末整理事項にもとづいて、精算表を完成させましょう。

  • 得意先が倒産し、前期の同社に対する売掛金80円が回収不能となった。
    これを貸倒れとして処理する。
  • 商品の期末棚卸残高は800円であった。
    売上原価は仕入の行で計算する。
  • 売掛金と受取手形の期末残高に対して、差額補充法にて2%の貸倒引当金を設定する。
  • 建物及び備品について、定額法にて減価償却を行う。
    建物は耐用年数20年で残存価値はゼロ・備品は耐用年数5年で残存価値はゼロである。
    備品はX1年12月1日に購入し、同日より使用したもので、減価償却費は月割計算によって計上する。
  • 仮払消費税と仮受消費税を相殺し、納付額を計算する。
  • 受取家賃の前受額は10円である。
  • X1年9月1日に借入れた借入金の利息につき、未払処理する。
    借入れの条件は利益率が年4%・利払日が8月末日・返済期日がX2年8月31日である。
69.精算表_3

解説

売掛金の貸倒れ

前期発生の売掛金なので、貸倒引当金を取り崩し、超過額を費用の勘定科目である「貸倒損失」で処理します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
貸倒引当金
貸倒損失
20
60
売掛金80

【貸倒引当金を超過した分】
20円 – 80円 = -60円

売上原価の算定

【期首商品の振替】
資産の勘定科目である「繰越商品」の減少
費用の勘定科目である「仕入」の増加
として処理します。

【期末商品の振替】
費用の勘定科目である「仕入」の減少
資産の勘定科目である「繰越商品」の増加
として処理します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
仕入
繰越商品
700
800
繰越商品
仕入
700
800

貸倒引当金の設定

費用の勘定科目である「貸倒引当金繰入」で処理します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
貸倒引当金繰入26貸倒引当金26

【貸倒引当金の設定額】
(売掛金720円 + 受取手形580円)× 2% = 26円

【決算整理前の貸倒引当金残高】
150円 – 150円 = 0円
※ 当期貸倒額と貸倒引当金の取崩額

【当期に計上する貸倒引当金】
26円 – 0円 = 26円

固定資産の減価償却

備品については、当期の12月1日に購入しているので、12月1日から3月31日までの4か月分の減価償却費を計上します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
減価償却費50建物減価償却累計額50
借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
減価償却費40備品減価償却累計額40

【建物の減価償却費】
1,000円 ÷ 20年 = 50円

【建物の減価償却費】
600円 ÷ 5年 = 120円
120円 × (4か月 / 12か月) = 40円

消費税の処理

「仮受消費税」「仮払消費税」の貸借の差額から、負債の勘定科目である「未払消費税」を算出します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
仮受消費税600仮払消費税
未払消費税
500
100

【未払消費税の計算】
仮受消費税600円 – 仮払消費税500円 = 100円

収益の前受け

次期の家賃を前受けしているので、
負債の勘定科目である「前受家賃」の増加
収益の勘定科目である「受取家賃」の減少
として処理します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
受取家賃10前受家賃10

費用の未払

当期分にあたる9月1日から7月31日までの7か月分の利息を未払計上します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
支払利息28未払利息28

借入金1,200円 × 4% = 48円
48円 × (7か月 / 12か月)= 28円

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仕訳を考えるときの手順

STEP
どの勘定科目が該当するのか?

買掛金1,000円を現金で支払いました。
この取引の仕訳を考えてみましょう。

という内容であれば、登場する勘定科目は、

  • 買掛金
  • 現金

の2つです。

STEP
その勘定科目は、何に分類されるか?

それぞれの勘定科目が

  • 資産
  • 負債
  • 資本(純資産)
  • 費用
  • 収益

のいずれに該当するかを考えてみましょう。

買掛金1,000円を現金で支払いました。
この取引の仕訳を考えてみましょう。

に登場する

  • 買掛金
  • 現金

の2つの勘定科目は、それぞれ

  • 買掛金 → 負債
  • 現金 → 資産

に該当します。

STEP
その勘定科目が増えているのか?減っているのか?

買掛金1,000円を現金で支払いました。
この取引の仕訳を考えてみましょう。

という内容であれば、将来支払う義務であった「買掛金」が減っていますね。
買掛金は負債の勘定科目なので、増えている場合はホームポジションである「貸方(右側)」に・減っている場合はホームポジションと反対の「借方(左側)」に記入します。

負債が増えたとき
負債が減ったとき

また、仮払金を支払うにあたり、「現金」が減っていますね。
現金は資産の勘定科目なので、増えている場合はホームポジションである「借方(左側)」に・減っている場合はホームポジションとは反対の「貸方(右側)」に記入します。

最後に

はりねずみ

いかがでしたか…?

楽勝だった!という方は、どんどん先の問題に進んでいきましょう。

まだ、自信がないかも…という方も、1歩ずつ進んでいくことが大切です。
実力は、必ずしも「わかる→できる」のようなキレイな伸び方をするとは限りません。
なんとなく解けるようになってからの方が知識を整理しやすい場合もあるので、「慣れて、苦手意識をなくしていく」ように意識していってください。

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